以前、巨大ヘビ「アナコンダ」に人間が生きたまま食べられる実験をテレビの生放送で公開予定であることをご紹介しましたが、この実験が失敗したことが明らかとなりました。番組内では、アメリカのナチュラリストのポール・ロソリー氏が大蛇と対決したものの、呑み込まれることはありませんでした。
この実験を計画していたのは、世界最大のドキュメンタリーチャンネルとして知られる「ディスカバリーチャンネル」。2014年12月7日に放送した特別番組『EATEN ALIVE(生きたまま食べられる)』で、ロソリー氏が防護スーツに身を包んで大蛇「アナコンダ」に丸呑みにされる予定でした。
ロソリー氏は、ペルーのアマゾンのジャングルに潜入し、対戦相手となるアナコンダを探すために60日間を費やしました。そして最終的に、全長6mの大蛇を発見しました。
ところがアナコンダとは対決したものの、アナコンダがロソリー氏に巻きついて強く締め付ける事態に発展。腕が折れるかと思ったというロソリーさんは「ヘルメットを通してアナコンダのあごを感じた。喉を鳴らすような音や荒い息遣いが聞こえた」と語りました。
監視していた番組チームは、ロソリー氏の呼吸が乱れ、心拍数が下がったため心配しながら見守っていましたが、ロソリー氏本人がアナコンダの強力な締め付けによるめまいを訴え、助けを求めました。ロソリー氏もアナコンダも無傷でした。
対決したものの、結局、アナコンダに呑み込まれることがなかったロソリー氏と番組に対して、批判が殺到しました。
またロソリー氏は放映前から、ヘビを傷つけないようチーム全体で細心の注意を払っていると強調していましたが、動物保護団体らからは「視聴率稼ぎのためにアナコンダは苦痛を与えられ苦しめられた」と強く非難されています。
一方、ロソリー氏は、「自分が宣言したように生きたまま食べられることはなかったが、アマゾン保護への関心を高めるには番組の衝撃値は重要だ」と述べています。この番組に合わせ、アナコンダの生息調査を含めたアマゾン保護のための啓蒙と募金活動を行う基金が立ち上げられています。
アメリカで放送された番組は、10日にはフィンランド、デンマーク、ハンガリー、ポーランド、スウェーデンで、さらに12日にはオーストラリアで放映された後、中国やインドでも放映される予定です。