ウツボカズラとアリが共闘してボウフラを撃退!?食虫植物と共生するボルネオのアリがスゴイ!!


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ボルネオ島原産の“泳ぐアリ”(学名:Camponotus schmitzi)は、本来なら敵であるはずの食虫植物ウツボカズラの一種(学名:Nepenthes bicalcarata)に対してまったく恐れません。これは、この2つの生物が生きていくうえで互いを必要としているためであることが、最新の研究によって明らかになりました。

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昆虫と植物の互恵関係というのは目新しい話題ではありません。すみかにしている植物を草食動物から守っている昆虫や、その植物が単独では得ることのできない栄養素を提供している昆虫もいます。昆虫はその見返りに、花の蜜とすみかを得ています。

ところがボルネオ島のこのアリとウツボカズラの関係は、表面上はアリにしかメリットがない一方的なものに見えていました。今回の研究はその謎を解くもの。それによると、ウツボカズラはこのアリのおかげで、重要な栄養素である窒素を得る機会を失わずに済んでいるのだといいます。

ウツボカズラの葉は壺のような形に変形しており、そこには消化液がたまっています。これを捕虫器といい、縁に近づきすぎて液の中に落ちてしまった昆虫は少しずつ溶かされ、消化吸収されます。しかしボルネオ島のこのアリの場合、捕虫器に入ってもまったく問題がありません。そして消化液に溺れた不運な昆虫を食べてしまいますが、これはウツボカズラにしてみれば、食物を奪われたことになるはずです。

しかしウツボカズラには、この侵入者に対抗する様子が見られません。それどころか、このアリがウツボカズラの茎の内部にコロニーを作ることを許してさえいます。

こうした事実から、「一般的には、アリの側からも(植物に)何らかのメリットを与えているのではないかと考えられる。だがそのメリットが何なのか、これまで明らかになっていなかった」と、アリゾナ州ツーソンにあるアリゾナ大学の進化生態学者ジュディス・ブロンスタイン氏は語ります。ブロンスタイン氏は今回の研究には参加していません。

生態学者のマチアス・シャーマン氏らによる今回の論文には、アリのコロニーを抱えたウツボカズラはコロニーのないものより成長が速いことが指摘されています。しかし、このアリとウツボカズラの協力関係がどのようなものかは、これまで十分に説明されていないといいます。

シャーマン氏らケンブリッジ大学の研究チームは、このアリがウツボカズラの栄養状態の向上に寄与しているのではないかと考えました。そしてこの仮説が正しいかどうか、正しいとすればどのようなメカニズムがはたらいているのか検証を行いました。

研究チームは、ウツボカズラにとって貴重で摂取の難しい栄養素である窒素の同位体のひとつを用いて、それがアリからウツボカズラへと受け渡される経路をたどりました。その結果、ウツボカズラはアリの排泄物や死体に含まれる窒素を吸収していることが分かりました。

ところで、ウツボカズラを利用しているのはこのアリだけではありません。ハエや蚊は、この植物の壺型の捕虫器に卵を産みつけています。孵化した幼虫(ボウフラ)は消化液に落ちたほかの昆虫を食べて成長し、成虫になるとウツボカズラから出て行ってしまいます。この場合、ウツボカズラは自分のものにできるはずだった獲物をハエや蚊に奪われたことになります。

ただし、これらのハエやカが幼虫のうちにアリに食べられてしまえば、貴重な窒素の源は引き続きウツボカズラの体内に確保されることになります。

もしハエや蚊の幼虫が1匹たりとも捕虫器から逃れられなかった場合、ウツボカズラの得る窒素の量は19%も増えると、研究著者のシャーマン氏は言います。

「実に見事な研究だ」と、アルゼンチン国家科学技術研究会議の植物学者ブリジッテ・マラッツィ氏は語ります。アリからウツボカズラへの養分の伝達がどのように行われているのかは、これまで誰も解明できていなかったとのこと。マラッツィ氏は今回の研究には参加していません。

ブロンスタイン氏も同意見。アリとウツボカズラとの協力関係についての今回の論文の説明は、かなり納得のいくものだと語っています。

「このアリが食べる昆虫のほとんどは、ウツボカズラから逃れ出る能力のあるものだ。つまりアリのおかげで、ウツボカズラは栄養源を失うことなく体内に閉じ込めていられる」とブロンスタイン氏は語ります。

「今回の例は、2種の生物だけを見ていたのでは(関係を)理解できない場合があることをよく示している」とブロンスタイン氏は言います。もし研究チームがウツボカズラとアリだけに注目していれば、ハエや蚊の幼虫のせいで何が起こっているかは見逃されてしまったかもしれない、というわけです。

ウツボカズラとアリの共生関係についての今回の論文は、5月22日付けで「PLOS ONE」誌に発表されました。

どうやらウツボカズラはアリを警備員として雇い、その報酬としてエサを与えているということのようですね。科学者も、食虫植物が虫と共生するなんて思いも寄らなかったみたいです。

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