チベット人の高地適応能力は絶滅人類系統「デニソワ人」から受け継いだ遺伝子によるものの可能性が!!


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チベット人が高地で暮らすことができるのは、現在は絶滅した謎の人類系統から受け継いだ特殊な遺伝子のおかげだとする研究論文が、2日の英科学誌ネイチャーに発表されました。

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中国、チベット、アメリカの国際研究チームによると、現在のチベット人の祖先は、血液中の酸素量を調整する重要な遺伝子変異を、デニソワ人と呼ばれる人類種と交配した際に獲得したといいます。

ネアンデルタール人と同時代に生きていたデニソワ人の存在が明らかになったのは、わずか4年前のこと。デニソワ人もネアンデルタール人と同様に、解剖学的現代人の現生人類(ホモサピエンス)によって絶滅に追い込まれた可能性があります。

デニソワ人の存在は、ロシア・シベリア南部のアルタイ山脈にあるデニソワ洞穴で発掘された、約8万年前の指節骨の破片1個と臼歯2個によって判明しました。

デニソワ人は、分岐した系統の一つとして姿を消す前に、ホモサピエンスと交配して、現在のヒトDNAプール中に残存している特徴を残したことが、遺伝子配列の解読によって分かりました。

研究チームは、チベット人40人と中国漢民族40人のゲノム(全遺伝情報)の比較を行いました。

その結果、血液に酸素を行き渡らせるヘモグロビン分子の生成を調整する「EPAS1」と呼ばれる遺伝子の特異な変異が、チベット人の遺伝子コードに埋め込まれているのを研究チームは発見しました。

EPAS1は、血液中の酸素濃度が低下した場合に発現し、ヘモグロビンの生成量を増加させます。

高地では、EPAS1の一般的な変異によってヘモグロビンと赤血球が過剰に生成され、血液が濃くドロドロになります。これは高血圧症や、新生児の低体重および死亡の原因になります。

ところが新たに見つかった変異は、生成量の増加を過剰にならないように抑制するため、標高4000mを超える場所に移住する多くの人々が経験する「低酸素症」の問題を防いでいます。

アメリカ・カリフォルニア大学バークレー校のラスムス・ニールセン教授(統合生物学)は「われわれは、EPAS1のこの変異がデニソワ人に由来するという非常に明白な証拠を手にした」と語ります。

「人類は他の人類種から遺伝子を獲得することで進化し、新しい環境に適応するようになったことを、これは非常に明確に、そして直接的に示している」

チベットの人々が持つEPAS1の変異は、デニソワ人のサンプルで見つかった変異とほぼ同じものでした。

ところがこの変異の痕跡は、漢民族以外の、デニソワ人の名残を受け継ぐとされる他の民族集団には全く存在しません。デニソワ人由来のゲノムの割合が5%と民族の中で最も高いメラネシア人にも、その痕跡はみられませんでした。

アフリカを出たホモサピエンスのグループは、中国へ向かう途中でアジア中部を通過した際にデニソワ人と交配したとの説を論文は提唱しています。

中国に移住したホモサピエンスのグループは、その後2つに分裂。一つはチベットに移動し、もう一つは低地に残り今日の漢民族となりました。

研究によると、種族間で交配を重ねた結果、チベット人の87%がEPAS1の貴重な変異を獲得するに至ったといいます。それに対し漢民族は、共通の祖先を持っているにもかかわらず、全体の9%しかこの変異を持っていません。

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